正しいデータについての問題をついに解決できます。

世界共通のデータの健全性基準の実現に向けて

私たちは今、ビッグデータの世界に生きている

2020年の後半、米国のある銀行のCEOは、今日では多くの企業で一般的となった考え方を明らかにしました。CEOは次のように言いました。「当行は103年の歴史を持つ銀行です。私たちはすべての業務をスプレッドシートを使って行っています。しかし、当行は、金融ニーズを予測して、フリクションレスな体験を通じてクライアントを支援する、収益性の高いデジタルファーストな銀行になろうとしています。つまり、私たちはデータ企業となる必要があるのです。」

業界を問わず、企業は自社が持つデータに完全に依存しています。小売業者は、単に店で商品を販売しているだけではありません。小売業の成功は、消費者の行動や嗜好、活動に関するデータの収集、分析、共有にかかっています。金融サービス企業は、取引で得た豊富なデータを活用して知見を得るだけでなく、データをインテリジェンスの源とすることで新たな収益源を創出できます。医療機関は、単に患者の病気やけがを治療するだけではなく、患者の容体が悪化する前に、データを収集して分析して治療します。

今やあらゆる企業が、データを扱うビジネスを行っていると言えます。新型コロナウイルスが大流行する以前から、既に多くの企業がデータ企業となるための第一歩を踏み出していました。私たちが世界的なパンデミックに直面したことに気付いたとき、変革はますます喫緊の課題となりました。

 

木が多すぎるのに森が足りない

しかし、企業がデータ駆動型になることを目指しており、またその必要があるにも関わらず、その活動はあまり成功していません。調査によると、70%近くの企業​ ではデータ駆動型の組織がまだ構築されておらず、半数以上はデータをビジネス資産として扱っていないと回答しています。将来に向かって進むためには、データの利用に頼る必要があることに企業は気付いています。では、データの利用はなぜそれほど困難なのでしょうか?​

何十年もの間、分析のためにデータを管理・利用することために、データを収集し、クレンジングし、保存し、カタログ化するといった、​プロセスに焦点を当てていました。しかし、解決すべき問題はこれではないことがわかりました。データ管理の仕組みにこだわったために、いくつかの大きな課題が生まれたのです。

  • データプレパレーションを行う人と、意思決定を行ったりビジネスの状態を評価したりする人の間につながりがない。
  • 日々の業務に供給されているデータが信頼できる、あるいは安全であるということを、最前線にいる人やシステムが容易に検証できる方法がない。
  • データの管理、統合、保存に対する断片的なアプローチにより、データがサイロ化している。その結果、コストがかかり管理が困難になっているだけでなく、分析で見通すことのできないダークデータが生じる。
  • ほとんどの場合、データの移動や収集、プレパレーション、保存のためのソフトウェアやプラットフォームは、企業が自社のデータを深く理解したり、データからより良い成果を得たりするのには役立たない。

こうした断片的なアプローチではうまくいかないことに、企業はようやく気付きつつあります。単にデータの収集や移動、プレパレーションを効率的に行うだけでは不十分だということです。

データ管理は誤った課題に注力している

約1,300億ドルの市場規模と推定されているデータ管理市場は近年、多くの注目を集めていますが、それも当然です。こうしたソリューションは、ますます多くの企業データを極めて効果的に移動し、保存できるようになってきています。しかし、多くの企業において、効率化によって、それで得た成果と同じくらいのリスクが生じていると、当社は考えています。

データの取得と保存は、数ある問題のうちの1つではありましたが、取り組むべき問題では決してなく、そして解決すればそれで終わりという問題でもありませんでした。企業では古くから、「できるだけ多くのデータを収集すべきであり、どう使うかは後で考えよう」と言われてきました。その「後」が到来しましたが、多くの企業ではデータ飽和型からデータ駆動型へと移行する準備が整っていません。

データが単に移動されて考慮なく保存されている場合、データ保管場所は実質的に企業情報のデジタルゴミ集積場と化してしまいます。データは問題を解決するのではなく、実際には混沌とした状況の整理を困難にしているのです。企業は自社のデータの中で溺れています。

​私たちは、非常に恐ろしい状況に置かれています。事業を継続するためにデータに依存し、データ企業に​ ​なる ​必要があると考えている膨大な数の企業が、未だにデータの方程式を構成する最も基本的な要素に取り組んでいないのです。こうした企業では、どんなデータがどこに存在し、誰が使用しているのかを把握できておらず、さらに危機的なことに、データの健全性を測定する方法を全く持っていません。

ビジネスの健全性をどのように評価しているのかと尋ねれば、どんな企業でも事業運営の基盤となるデータに裏付けされた、一連の指標を提示するでしょう。従業員を除けば、データは企業が所有する最も重要な資産であるにも関わらず、最も理解されておらず、測定もされていません。​データは世界を動かしているのに、私たちがそれを最も理解できていないのです。

 

企業データの健全性を把握する

今日のデータ管理は多くの場合、単純な素通しのプロセスとなっていますが、それでいいはずがありません。組織がデータの信頼性やリスク、企業に価値をもたらす可能性を深く理解できるようにする、積極的かつ意図的なシステムでなければなりません。データに対する可視性と透明性が得られる必要もあります。​データ管理に使用するソリューションは、より賢明で俊敏、そして効率的な組織を実現するのに役立つ知識を提供できるのと同時に、リスクを回避できるものでなければなりません。

これは不可能に聞こえるかもしれません。企業のどこにどんなデータがあるのか、データは正確なのか、誰がアクセスしたのか、どのように配布されたのかを理解することは本当に妥当なことなのでしょうか?最も価値がありながら、今日では最も無形のビジネス資産に対して、測定可能で定量的な見解を得ることは本当に可能なのでしょうか?

​はい、できます。データの健全性という考え方を用いることで、あらゆる企業がこれを実現することができます。

データの健全性は、予防的な対策、効果的な処置、協力的な文化で構成される総合的なシステムによって、企業情報の健康を積極的に管理するというTalendのビジョンです。このシステムには、企業の生存に不可欠な資産の総合的な信頼性やリスク、リターンを定量化可能な方法で理解してコミュニケーションできるようにする、監視およびレポート作成のツールが含まれます。

データの健全性ソリューションは、将来的には企業データの健全性を評価するための普遍的な一連の指標の作成を支援するとともに、企業の総合的な強みを示す不可欠な指標としての地位を確立することを目指しています。

 

私たちはあまりにも長い間、データを単純で具体的な単位として扱ってきました。データとは、表計算ソフトのセルやデータベースのフィールドなど、分析者を待つ受動的なデジタルオブジェクトでした。しかしこれは、もはや十分なモデルではありません。データは複雑で、常に変化を続ける生き物です。新しい入力が流入しては流出し、ユーザーによって更新され、コンテキストの転換によって形を変えます。こうした入力やアクションは、データ自体の価値について理解し、変化させる機会となります。データが持つ意味を真に理解するには、そのデータを信頼のおける総合的な方法で可視化する必要があります。

データは複雑であり、どの組織にも独自の要件や規則、リスクの許容範囲が存在します。だからこそ、私たちはデータの健全性の実現を旅のようなものだと考えています。人間の健康と同じようにデータの健全性も、各企業の年齢やライフステージ、成熟度レベルに応じて異なるでしょう。どのようなタイプの企業にどのような基準が最も適しているかについて合意するには、市場での相当な協力と調査が必要です。当社の最初のフレームワークでは、データの健全性の構築に利用される、4つの主要重点領域を想定しました。

当社の最初のフレームワークでは、企業がデータの健全性の構築を開始する際に重点を置くべき、3つの領域を想定しています。

  • 予防的な対策 — データの課題を前もって特定して解決する
  • 効果的な処置 — データの信頼性を体系的に向上させ、リスクを低減させる
  • 協力的な文化 — データの管理と保守に関する組織的な規律を確立する

プロアクティブな監視およびレポート機能を持つ包括的なシステムは、これらの重点領域のすべてを監督し、データの健康が実現したことを示します。このシステムを形成するテクノロジーと文化的な慣行の組み合わせは各企業ごとに異なりますが、極めて重要なのは、適用される基準は普遍的なものであるということです。

 

より良い未来へのビジョン

そう遠くない未来に、過去を振り返って「当社の成功に極めて重要な役割を果たす資産の信頼性やリスク、リターンを定量化できる方法なしに、当時はどのようにしてビジネスで、あるいはより広い社会の中で機能できていたのだろう」と不思議に思う時が来ることを、私たちは確信しています。問題のあるデータのリスク(とイノベーションのチャンス)は、あまりにも大きすぎます。

2019年、世界的な呼吸関連医療企業であるVyaire Medical​ は、デジタルトランスフォーメーションの取り組みをスタートさせました。同社のデータインフラストラクチャーは、他の多くの企業と同じく、単発のソリューションや非効率な構造がつなぎ合わされたもので、12の企業計画システムが含まれていました。そのため従業員は、部品の場所や生産数、工場の効率などのデータを、それぞれ手に入る場所から収集する必要がありました。したがって、データのソースに応じた相反するデータが意思決定者の手に渡ることも頻繁に起こりました。結果として混乱が生じ、企業の継続的成長に必要なデータ駆動型の素早い意思決定が困難となっていました。「上流から下流まで、非常に多くの設計要素が存在しましたが、それらは当社が対応する必要のあった数量規模に対応できるようには設計されていませんでした」と、Vyaireのグローバル最高情報責任者の​​​Ed Rybicki氏は言い​、次のように続けました。「したがって、私たちは本当にすべてを再考する必要がありました。」​

「すべてを再考する」とは、インフラストラクチャーに関するいくつかの重要な決定を行うことを意味していました。すなわち、既存のオンプレミスからクラウドインフラストラクチャーに移行すること、社内の誰もがアクセス可能な一元化されたデータリポジトリを構築すること、そして全社のデータレイク内のデータをクリーンで正確、かつリアルタイムで利用できるものにするためのデータクオリティ基準を制定することです。つまり同社は、分析やビジネス上の意思決定のためにデータを必要とするすべての人に対して、健全なデータを提供できるようにするという決断を下したのです。

Vyaireの大規模な転換プロジェクトは、非常に先見の明がありました。2020年に新型コロナウイルスが出現し、同社の人工呼吸器に対する需要がかつてないほどに高まりました。「人工呼吸器の生産ラインでは、高度にカスタマイズされた製造プロセスを再現する必要がありました」とRybicki氏は言い、こう続けます。「過去に対応したことのある量のおそらく20倍もの数量の需要が、すべて6~7か月の間に集中しました。最終的に、私たちが生産規模をスケールアップできなければ、人工呼吸器を必要とする人が装置を得られない可能性があると悟りました。当社は古いシステムをスケールアップして、人命救助を支援することができました。」

Vyaireにとって、データの健全性はもはやオプションではありませんでした。それなしで済ませる、あるいは1年かけて計画することは許されませんでした。同社は可能な限り早く、データの健全性を確保する必要がありました。Vyaire Medicalの体験は、単なる偶然ではありません。同社はデータの健全性に計画的に投資を行ったことで、工場フロアから役員室まで、業務全体を完全に透明化しました。彼らはサプライチェーンの各工程の推定キャパシティと、そのあるべき目標値を正確に把握していました。それは、世界中の患者が切実に必要としている機器を、まさに必要なその時に間に合うように生産するという、一生に一度の呼びかけに応えることができたということです。Vyaireはデータによって事業を最適化し、世界的なパンデミックによってもたらされた障害を克服できました。データの健全性は、まさにあなたのビジネスを明確にしてくれるものなのです。

探せない情報や見えない情報、理解できない情報に基づいて、誰かが意思決定しなければいけないという状況は間違っています。データはブラックボックスであってはなりません。データの健全性の慣行を構築する上での最終目標は、単に信頼を確立することだけではなく、データを完全に可視化し、その結果、価値を実際に定量化することです。ビジネスのあらゆる面で、データがどのように機能しているかを理解する必要があります。データが何をもたらしているかを定量化できる必要があります。データへのすべての投資に対して、ROIを明確化できる必要があります。一度データの健全性の基準を確立すれば、それはGoogleマップと同じくらい必要不可欠なものになると私たちは確信しています。それなしでの活動を想像することもできなくなるでしょう。

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