DX 戦略によるコラボレーションの促進

適切なデータ統合プラットフォームの選択は、データドリブンな企業へと向かうための第一歩に過ぎません。組織をデータドリブンにするためには、単にソフトウェアを選択するだけでは不十分です。DX (デジタルトランスフォーメーション) 戦略を組み込んでチームを編成し、DX 戦略策定のためのデータが常に組織の中核に位置するようにする必要もあります。データをチームスポーツにし、データ管理におけるコラボレーションを可能にすることを含めた全社的なデジタルトランスフォーメーション戦略を策定することにより、今日の非常に競争の激しいビジネス環境で今以上に成功を収めることができるようになります。

DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の4つのポイント

技術を選定したら、企業のDX戦略を策定するために次の4つが必要になります。

  1. ビジネスとITの分断を解消する:開発者、データサイエンティスト、アナリスト、オペレーションのチームにコラボレーションを根付かせて、各チームがデータライフサイクル全体を通じて協力できるようにします。
  2. データドリブンな文化を構築する:適切な人に、適切なデータを、適切なタイミングで届けます。データドリブンマーケティングを活用し、それぞれの役割に合わせたセルフサービスアプリを提供します。
  3. 劇的にスケールアップする:IT部門が社内のあらゆる場所にいる多数のメンバーに対して、信頼できるデータにアクセスするための管理および統治された方法を提供できるようにします。
  4. どんなデータも取り残さない:1つのプラットフォームを、ビッグデータ、クラウド、アプリ統合、データプレパレーション、データスチュワードシップといった複数のユースケースに使用します。

コラボレーション型のデータ管理によってDX戦略をサポートする

社内の各所からのデータ統合の要求により、IT部門をさまざまな方向に向かわせる力が働きますが、デジタルトランスフォーメーション戦略はIT部門の活動を集中させるのに役立ちます。他の従業員が企業のデータレイクに存在する情報にアクセスできるようにするだけのリソースがIT部門にない場合、BYODの時代を生きる従業員が抜け道を見つけ出すことにより、企業の情報が危険にさらされる可能性があります。このような事態を避けるために、IT部門はすべての部門に対し、データへのセルフサービスのアクセスを提供する必要がありますが、会社の資産を不必要なリスクにさらさないよう、安全な方法で行わなければなりません。そのため、コラボレーション型のデータ管理モデルを採用する必要があります。

DXのための新しい考え方

上記の4つのステップで示したように、デジタルトランスフォーメーション戦略を導入するには、データの取り扱いについての新しい考え方が必要です。企業データの管理と統治を、権威型からコラボレーション型の文化へと転換するのは困難かもしれません。これはIT部門にとって、企業データを中心とした信頼のシステムを構築し、従業員がIT部門と連携してデータの品質、ガバナンス、セキュリティを維持および向上できるようにする機会となるかもしれません。良いニュースとしては、ITの専門家はWorld Wide Webの利用で先駆者となった企業が描いたブループリントを活用できます。

コラボレーション型のデータ管理のコンセプトは、ユーザーのコラボレーション、ユーザーが作成したコンテンツの共有、ソーシャルネットワーキングを中心にしているという点で、Web 2.0モデルと似ています。

あらゆる人のための信頼できるデータの約束

デジタルトランスフォーメーション戦略の一環としての、データをチームスポーツにするための活動は、企業データを保持している人と情報の消費者との間に存在する技術的および心理的な障壁を取り除くことから始まります。その結果、組織の誰もが企業データのセキュリティ確保に対する責任を分担して負うことになります。 

このモデルでは、信頼こそが常に最大の課題であり、実現のための鍵となります。情報は、かつてはごく少数のデータ専門家によって、情報を使用する消費者に向けて設計および発行されていました。

今日では、社内でのデータの急増はコントロールできないほどになっています。私たちの誰もが、ERPやデータウェアハウス、CRMといった、集中管理型として設計されたレガシーなITアプリを補完するために、営業、マーケティング、HR、オペレーション、財務などの各部門で利用されるクラウドアプリケーションが増加していることを身をもって体験しています。デジタルおよびモバイルアプリケーションは、ITシステムを外の世界に結びつけます。こうした新しいデータの流れを管理するために、企業の中でデータアナリストやデータサイエンティスト、データスチュワードといったデータに特化した新たな役職が生まれており、企業データの消費者と提供者の境界が曖昧になりつつあります。

コラボレーション型のデータ管理とセルフサービスを通じて信頼のシステムを実現することは、デジタルトランスフォーメーション戦略によって得られる機会の1つに過ぎません。Web 2.0モデルの進化に伴い、消費者とサービスプロバイダーの間の信頼関係は、評価やランキング、デジタルでの評判の構築といったクラウドソーシングのメカニズムによって確立されるようになりました(Yelpなどがその一例です)。企業のIT部門も、自由度の高い消費者の部門で採用されている戦略を採り入れることにより、同じようなプラスの成果を得ることができます。  セルフサービスの導入により、さまざまなソースからデータを実際に収集、クレンジング、認定する作業に企業の各部門のユーザーがより深く関与できるようになり、データを分析して、より多くの情報に基づいた意思決定に役立てられるようになります。

最も価値ある資産とのコラボレーション

コラボレーション型のデータ管理は、企業が持つ情報の品質、セキュリティ、正確性がセルフサービス環境でも維持されるように、IT部門が支援する方法です。これは、従業員が企業の情報を修正、認定、クレンジングすることを可能にする、デジタルトランスフォーメーション戦略の重要な部分を占めます。IT部門はガバナンスが徹底されたワークフローを策定して、このコラボレーション型の統治されたデータスチュワードシップのためのモデルを提供できます。そのため、マスターデータレコードはそれを最も熟知している人によって更新されます。

さらに、企業の重要なデータにビジネスユーザーがより多く関わるようになるという不可欠な転換を進めることで、他の多くの利点にもつながります。たとえば、ユーザーは信頼できるデータを使って作業することにより、時間を節約して生産性を高めることができます。マーケティング部門はキャンペーンの質を向上できます。コールセンターでは、より信頼性の高い、正確な顧客情報を使って業務を行うことで、あらゆる人を満足させることができます。その結果、企業は最終的に最も価値ある資産であるデータの管理を強化できます。

Talend Data Fabricは、すべての企業データを1つの環境で管理できるようにする一連のデータ統合およびデータ整合性アプリケーションにより、企業のデジタルトランスフォーメーション戦略をサポートします。幅広いデータソースとプラットフォームの接続から、直感的なセルフサービスによるデータアクセスに至るまで、クラウドが提供するすべての機能を活用して、データのライフサイクル全体を管理しましょう。今すぐ無償試用版をリクエストして、データ管理の手間を減らしましょう。

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