データの俊敏性とは何か

あなたが所属する企業を含め、あらゆる企業の活動にはデータが欠かせません。データは組織にとって最も 価値ある資産ですが、往々にして、その価値を果たせていません。データの可能性は事実上無限ですが、現実は楽観的ではありません。実際、データ統合のスペシャリストやデータエンジニアは、組織内およびパートナーからのデータに対するますます緊急で複雑な需要を満たすことができていません。

その原因の一部は、典型的なデータインフラストラクチャの性質の断片化です。平均的な組織は、400を超えるデータソースからデータを取得しています。サポートチームの41%が、データサイロによって業務の速度が低下していると不満を述べています。また、ほとんどの企業は、データの使用よりも検索と準備により多くの時間を費やしており、組織全体の人々が最も基本的なデータさえも取得できないままです。

問題は、企業が十分なデータ、質の高いデータ、さらには適切なデータを所有していないということではありません。ほとんどの場合、企業はこのようなデータをすべて持っています。企業が手にしていないものは、データの俊敏性です。

データの俊敏性の定義

データの俊敏性とは、基盤としているデータインフラストラクチャ(ハイブリッド、マルチクラウドなど)にかかわらず、企業のデータ需要を迅速に、信頼できる方法で広範囲にわたって満足させるスピードと柔軟性のことです。

俊敏性とは、全体的な データの健全性の中核となる要素、つまり、組織のデータがビジネスの目標にどの程度貢献しているかを示すものです。データを使用する必要がある人が、データのライフサイクル全体を通じて、データを容易に検索してその内容を理解し、そこから価値を得ることができれば、データは健全であると考えられます。

真のデータの俊敏性をサポートするには、エンドツーエンドのデータ管理能力を備えた柔軟でスケーラブルなエコシステムが必要です。そうして初めて、企業はビジネスの変化する需要に応えることができるでしょう。

断片化されたデータのリスク

データの健全性に関係なくデータの移動の仕組みを重視するデータおよびITチームは、データのゴミ集積場(データパイプラインが脆弱で、効率的に拡張できない、低速でサイロ化されたデータの混乱した廃棄物処分場)に悩まされています。これは近年、クラウドデータウェアハウスの台頭に伴い悪化しています。

データ統合とデータサイエンスの専門家は、この課題を最も深刻に受け止めています。このような専門家はデータの需要に圧倒され、データ配信のペースに不満を持っています。ハンドコーディングまたはポイントソリューションの組み合わせに基づく既存のソリューションは、構築に時間がかかり、維持するために組織的な知識に依存し、新しい統合やプロジェクトごとに再び発明する必要があります。要求が累積することで、データ配信、データの信頼性、拡張能力の低下が危惧されます。

最高情報責任者(CIO)や最高データ責任者(CDO)などのデータおよび ITのリーダーも、厳格、脆弱、またはサイロ化されたデータフローによって、組織がデジタルトランスフォーメーションの取り組みの利点を十分に享受できないため、困難に直面しています。組織全体のデータを明確かつ総合的に把握できなければ、IT部門のリーダーは組織全体のデータポリシーを有意義に策定できません。また、処理速度が遅く、サイロ化されたデータは法規制の遵守を妨げ、組織が危機的状況に陥ります。

一方、事業部門のデータ専門家は、情報に基づいたタイムリーな意思決定に必要な生データを取得しません。処理速度が遅く、サイロ化されたデータは、データ分析の可能性を狭め、強制的な期限の変更、プロジェクトコストの上昇、全体的な分析の妨害、他の事業部門での作業の重複を引き起こす障壁の原因となります。また、技術的なスキルのギャップが存在する場合も、事業部門のデータ専門家によるデータの価値の迅速な最大化が妨げられます。

データの俊敏性を重視することで、データエンジニアリングチームは、企業のデータ需要に追従し、持続性や互換性を心配せずに、業務を拡大するためのスピードと柔軟性を手に入れることができます。

データの俊敏性を実践:お客様事例

AB InBev — データの俊敏性については、これまでほろ苦い経験だけでした

AB InBevは、Budweiser、Corona、Stella Artois、Beck’s、Hoegaarden、Leffeなど、500以上のビールブランドで構成される多様なポートフォリオを持つ世界的な飲料・醸造会社です。このような醸造業者の多くは、独自の社内システムを持つ独立したエンティティとして運営されているため、企業を買収した場合、そのシステムとデータを統合することは大きな課題となっていました。

「データサイエンティストや運用チーム、ビジネスチームといった社内の顧客は、100を超えるソースシステムからデータを収集して分析し、製品開発やサプライチェーン、マーケティング活動などに関するタイムリーな意思決定を行うのに苦労していました。」とAB InBevのデータ戦略およびソリューションアーキテクチャー担当グローバルディレクターであるHarinder Singh氏は述べています。

すべてのデータ管理作業は、AB InBevの管理の下で行われる必要があります。Talendには、リアルタイム、バッチ、クラウド、およびオンプレミスという100以上のデータソースからデータを抽出する能力がありました。現在では、社内ユーザーがデータの収集に充てる時間は全体のわずか30%程度となり、70%の時間をデータ分析に費やすことができるようになりました。

データは、飲酒者の好みを把握し、低カロリービールに対する消費者の新しい需要などを分析したり、季節性に応じたビールの嗜好を判断するのに役立ちます。データは、店舗やバーのエクスペリエンス、サプライチェーンの最適化、製品開発などの向上にも役立ちます。

MeDirect Bank — クラウドへのシームレスな移行を先取り

マルタを拠点として銀行・金融サービス業務を行うMeDirect Bankは、預金口座から投資信託、ウェルスマネジメントに至るまでのサービスを提供しています。どの金融機関もデジタルバンキングへの移行を管理しなければなりませんが、その移行の中核を担うのがデータです。

MeDirectのレガシーデータプラットフォームはオンプレミスのPostgresプラットフォームでした。同社はクラウドプラットフォームとしてSnowflakeを、そしてオンプレミスからクラウドへのデータレプリケーションでTalendを選択しました。

MeDirectのデータアーキテクトであるKurt Zahra氏は「データロードと統合という両方の観点から、当社のプロセスはすべてTalendで開発されました。クラウドへのシームレスな移行を実現するためには、その投資を引き続き活用し、既存のジョブを保持したまま、新しいデータプラットフォームにデータをロードできる方法でジョブを拡張することが最善であると考えたのです。MeDirectは現在、40から50ほどの社内外のデータソースをTalendと統合しています」と述べています。

Talendによるシステムの移行は、非常に簡単だったため、数多くのシステムを移行する必要があったにもかかわらず、Kurt氏は新しいシステムのデータが正確であることを確信できました。

データの俊敏性を向上させる方法

Talendのローコードのクラウド非依存データプラットフォームを導入することで、エンドツーエンドでデータを管理する際の財務的および技術的な障壁を取り除くことができます。Talendを使用すると、手作業によるコーディングが不要となり、あらゆる環境でデータライフサイクルのあらゆる側面を高速化できます。

データAPIおよびAPIサービスは 、社内とパートナーとの高速で安全なデータ共有を促進し、データインテグレーターやエンジニアの負荷を軽減します。また、Talendの Pipeline DesignerStitchは、時間と技術的な専門知識が不足している場合でも、堅牢なデータフローの迅速な展開を実現します。

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