ミドルウェアとは 種類と仕組み

ミドルウェアとは、他のアプリケーション/ツール/データベース間のギャップを埋めて、ユーザーに統合サービスを提供するための仲介役を担うソフトウェアを指します。

競争力のある配送料金からインスタントテキストによるアラート、24時間365日のカスタマーサービスへのアクセスなど、顧客の期待は劇的に高まっています。そのため、組織内のすべてのシステムを詳細に調整する必要があります。しかし、CSMソフトウェアがビッグデータプラットフォームやデジタルマーケティングキャンペーンに使用されるツールと統合できるように設計されていない場合、どのようにしてすべてを整理・合理化すればよいのでしょうか。

ここで役立つのがミドルウェアです。

ミドルウェアとは何か、その仕組み、種類、具体的にどのようにビジネスに役立つのかについて、詳細に説明します。

ミドルウェアとは - 全社的な架け橋

ミドルウェアとは、他のアプリケーション/ツール/データベース間のギャップを埋めて、ユーザーに統合サービスを提供するためのソフトウェアです。一般的には、異なるソフトウェアプラットフォームやデバイスを接続する接着剤のような役割を担うソフトウェアとして特徴付けられます。

ミドルウェアという用語の意味自体は1968年から使用されています。正式には、1980年代に新しいアプリケーションを古いレガシーシステムにリンクさせる方法として導入されました。ミドルウェアの用途には、Webサーバー、アプリケーションサーバー、コンテンツ管理システム、アプリケーションの開発・デリバリーをサポートするその他のツールが含まれます。通常のオペレーティングシステムは、プログラムが基盤となるハードウェア機能を利用する場として、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供します。一方でミドルウェアは、基盤となるオペレーティングシステム機能向けのAPIを提供します。

テクノロジースタートアップによるネットワークアプリケーションの使用は、ミドルウェアの重要性に重きを置いています。SaaSビジネスは、自立型アプリケーションと新しいソフトウェアアップデートの統合にミドルウェアを利用することで、全社的な情報システムを構築しています。

エンタープライズミドルウェアとプラットフォームミドルウェア

ミドルウェアには、大きく分けるとエンタープライズミドルウェアとプラットフォームミドルウェアの2種類があります。

エンタープライズミドルウェア

エンタープライズミドルウェアは、ソフトウェアコンポーネントまたはエンタープライズアプリケーションを接続します。これは、コンピューターネットワークの一方のオペレーティングシステムとアプリケーションとの間を接続するソフトウェアレイヤーであり、通常は複雑な分散型ビジネスソフトウェアアプリケーションをサポートします。

プラットフォームミドルウェア

プラットフォームミドルウェアは、さまざまなアプリケーションアーキテクチャーを接続します。一部のテクノロジー会社は複数のアプリケーション構造を使って運営しています。企業が合併する場合、またはサードパーティのアプリケーションを買収する場合には、複数の構造を使用することになる可能性があります。ミドルウェアはこれらの構造をサポートし、開発、本番、テストの3つの環境を相互接続するための手法を提供します。これらすべての環境で、ミドルウェアはデータベースとファイルの間だけでなくアプリケーション間でデータを転送します。

ミドルウェアの仕組み

オペレーティングシステムと通信プロトコルを接続する暫定的ソフトウェアとして、ミドルウェアは以下の機能を実行します。

  • 分離・分散したネットワークを偽装する
  • 異種のソフトウェアアプリケーションの集合から均質性を生み出す
  • アプリケーション開発、ユーザビリティ、相互運用性をサポートするための統一されたインターフェイスを開発者に提供する
  • アプリケーションが連携して動作し、システムが重複する処理を防止するための一連の汎用サービスを提供する

さらに、ミドルウェアはアプリケーション開発を支援するために、共通のプログラミング抽象化を提供し、アプリケーションの不均一性や基盤ハードウェア/オペレーティングシステムの分散が認識されないようにし、低次のプログラミングの詳細を隠します。

ミドルウェアを使用する理由・メリット

ミドルウェアの目的は、アプリケーション内のさまざまな側面の間で、あるいは複数のアプリケーションの間で相互作用を促進することです。ミドルウェアを活用することで、企業は以下のメリットを期待できます。

  • 効率的な接続性
  • 革新的なソリューション
  • 移行期間の短縮
  • 簡単にアクセスできる職場ツール

たとえば、Androidオペレーティングシステムはミドルウェアを利用して、ソフトウェアを迅速かつ効率的に、そしてはるかに優れたユーザーエクスペリエンスで実行します。Androidは、その中心にLinuxカーネルを使用してアプリケーションアーキテクチャーを提供するだけでなく、以下のようなサービスを提供するライブラリーで構成されるミドルウェアレイヤーを提供します。

  • データストレージ
  • 画面表示
  • マルチメディア
  • Webの閲覧

さらに、Androidのライブラリーは機械語にコンパイルされており、特定の機能がデバイス間で変化できるようにしているため、パフォーマンスが向上します。

14種類のミドルウェアの役割を担うソフトウェア

ミドルウェアの役割を担うソフトウェアには以下の14種類があり、エンタープライズまたはプラットフォームの目的でさまざまな問題を解決するために使用できます。

  1. アプリケーションプログラミングインターフェイス(API):特定オペレーティングシステム上でモバイルアプリを開発するためのAPIなど、アプリケーションを構築するためのツールセットです。
  2. アプリケーションサーバー:エンタープライズアプリケーションの作成と実行に使用されるソフトウェアフレームワークです。
  3. アプリケーション統合:エンタープライズアプリケーション統合は、企業全体にわたるシステムとアプリケーションの統合を可能にするためのミドルウェアを形成する一連のテクノロジーとサービス(「ミドルウェアフレームワーク」)で構成される統合フレームワークです。
  4. コンテンツ中心型ミドルウェア:パブリッシュ/サブスクライブ型ミドルウェアと同様に、コンテンツ中心型ミドルウェアは、特定のコンテンツを取得するためにプロバイダーとコンシューマーの抽象化を利用します。
  5. データ統合:エンタープライズサービスバスなどのデータ統合用ツールです。
  6. デバイスミドルウェア:ハードウェア環境固有のアプリケーションを開発するためのツールセットです。
  7. 組み込みミドルウェア:仲介者としての役割を果たす組み込みミドルウェアは、組み込みアプリケーション、オペレーティングシステム、アプリケーションの相互通信と統合インターフェイスを提供します。
  8. ゲームエンジン:グラフィックス、物理機能、スクリプティング、ネットワーキングを可能にするフレームワークです。
  9. メッセージ指向ミドルウェア(MOM):分散システム間または要素間におけるメッセージのトランザクションをサポートするインフラストラクチャです。
  10. オブジェクトリクエストブローカー(ORB):オブジェクトミドルウェアは、オブジェクト指向システムを介してオブジェクトの送信とサービスの要求を可能にします。
  11. ポータル:エンタープライズポータルサーバーに関しては、このソフトウェアはフロントエンドの統合と、デバイスとそのバックエンドシステムとの間のやり取りを容易にします。
  12. リモートプロシージャコール(RPC):リモートプロシージャコールは、リモートシステムからサービスを呼び出すために同期的または非同期的に使用されます。
  13. ロボット用ミドルウェア:ロボット用ミドルウェアは、ロボットの制御やシミュレーションなど、ロボットの構築に伴う複雑性を管理するために使用されます。
  14. トランザクション処理(TP):トランザクション処理ミドルウェアは、異種のアプリケーションを開発・展開するための環境を提供するために、トランザクション処理モニターで使用されます。

目的に応じてさまざまな種類が用意されているため、多くの場合、作業をより簡単にするためミドルウェアが使用されます。

ビッグデータ向けミドルウェア

速度を落としたり一時的に接続を解除したりすることさえできないワークプレースは、効率的で創造的なソフトウェアソリューションがどれほど重要かを認識しています。しかし、適切な解決策がなければ、これは非常にやっかいな取り組みになりかねません。ここで役立つのが、現代の問題に対する多目的なソリューションとしてのミドルウェアです。

Talend Data Fabricは、データ統合とアプリケーション統合をめぐる広範な課題を効率的かつ正確に解決するためのオープンソースミドルウェアを提供します。Talendは、400を超える組み込みデータコネクターを提供し、全社的なデータ統合ニーズに確実に対応するなど、ビジネスのスピードを高めるために必要なサポートを提供します。

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